ゴシックの光、バロックの夢

レーゲンスブルクとパッサウのコントラスト

 文字と写真を愛でるだけでなく、歴史と伝統を内側から見つめるために。ここでは、西ヨーロッパにおける重要な時代区分であるゴシックとバロックのコントラストをより深く知るためのプログラムをご提案します。

 

 その舞台となるのは、南ドイツの二つの街レーゲンスブルクとパッサウ。紀元前5000年には定住集落があったこと、ラ・テーヌ期には現在のパッサウ旧市街にケルト人の集落が定置され、一方でレーゲンスブルクにはケルト人が通過した痕跡が散見すること、その後ローマ人がそれぞれの町に城塞を築き、文化の花を咲かせ、続いてバユヴァル人(後のバイエルン人)の統治の下司教区としての歴史が始まる―――中世までのレーゲンスブルクとパッサウの歩みは、ドナウという悠久の線上でほとんど共通しています。神聖ローマ帝国時代になると、レーゲンスブルクは帝国議会の所在地として政治の中核を担い、片やパッサウは帝国内最大の司教区として栄華を極めました。

 

 パッサウの旧市街の大部分を焼失した17世紀の大火事がなければ、両都市の現在の街並みにそれほどのコントラストは見られなかったかもしれません。ロマネスク及びゴシック様式の建築物が立ち並ぶレーゲンスブルクの旧市街が中世都市の顔をそのまま今に伝えるのに対し、焼失したゴシック様式の旧市街をイタリア人の芸術家たちが当時最高の技術でもって再建したバロックの街・パッサウ。ゴシック様式の聖堂に特徴的なステンドグラスは、太陽の光、神の光を取り入れることによって教会を形而上学的空間へと変貌させるための装置でありましたが、その後始まるバロックの時代には、三十年戦争で心身ともに傷を負い、ペストと飢餓によって絶望した民を再び引き付けるため、華やかな建築物が街を埋め尽くしていくこととなりました。

 

 ただ美しいばかりではないゴシックの光とバロックの夢。それぞれのエポックを体現するレーゲンスブルクとパッサウの街を、懸け橋プロジェクトの通訳とともに、あなたの足で歩いてみませんか。

料金プラン(オプションにより変動あり)

<レーゲンスブルクとパッサウの散策>通訳付き、参加者5名の場合・・・70ユーロ/人

 

※ルート:ミュンヘン→レーゲンスブルク→パッサウ→ミュンヘン(バイエルンチケット代込)

※夏季(4~10月)のみ実施

エポックを行く・ギャラリー

バイエルンのクリスマスマーケット

In Regensburg & Passau

 キリスト教国であるドイツにおいて、クリスマスは一年中で最も重要な家庭行事。特にカトリック色の強いバイエルン州は、バイエルン以外の地域 ("プロイスン") よりもクリスマスの伝統を重んじる傾向にあります。街中が厳かな喜びに満たされる中、待降節の始まりとともに開催されるのが、今や観光名所の一つとなったクリスマスマーケット。その起源は、中世後期に冬の食糧確保を目的として開催されていた市にあります。ミュンヘンのクリスマス市が初めて記録に登場したのが1310年のこと。その後、市には伝統工芸品やその地域の特産品が並ぶようになり、やがて20世紀の前半には現在見られる様式のクリスマスマーケットが待降節の慣習に欠かせないものとなりました。

 

 バイエルンでは、クリスマスのプレゼントを運んでくる伝統的な天使像にちなみ、クリスマスマーケットを「クリストキンドルマルクト」と呼びます。パッサウやレーゲンスブルクの歴史あるクリストキンドルマルクトを訪れ、温かなグリューワインを片手に、バイエルンのクリスマスを体験してみませんか。

 

 料金及び詳細プランについてはお問合せください。

クリストキンドルマルクト・ギャラリー