水と土が作る森のガラス文化

バイエルンとボヘミアの森を彩る光のガラス

 南ドイツ・バイエルン州の東に位置し、チェコとの国境沿い100kmに渡って伸びる広大で豊かなバイエルンの森。ここでは、ガラスの原料である良質な珪砂や岩石、燃料となる木材、そして水車の動力となる水が大量に産出することから、700年以上前よりガラスの生産が行われています。その中心地であるツヴィーゼルやフラウエナウは、たくさんの工房やアトリエが軒を連ねるガラスの町。14世紀よりガラス作りを始め、1900年のパリ万博では金賞を獲得したポッシンガー家や、300年の伝統を誇るアイシュなど、世界的にも名を知られた職人たちが、絶えぬ炎に制作の情熱を溶かす場所です。

 チェコとの国境を越えた地点から、バイエルンの森は「ボヘミアの森」と呼ばれるようになります。ボヘミアの森側で生み出されるのは、色とりどりのボヘミアンガラス。高価なヴェネツィアンガラスに取って代わり、18世紀からヨーロッパの市場を席捲してきたボヘミアンガラスの歴史は、16世紀にドイツ・ザクセンのガラス職人がボヘミアに移住したことから始まりました。バイエルン/ボヘミアの森という境界を中心にして脈々と受け継がれてきたガラス作りの技と熱-その伝統と最新の技術を、バイエルンの森の町で体験してみませんか。

料金プラン(オプションにより変動あり)

<フラウエナウ・ガラス博物館とガラス道の工房見学>通訳付き・・・500ユーロ

バイエルンの森のガラス道・ギャラリー

ツヴィーゼル・国立ガラス専門学校で学ぶ

 バイエルンの森のふもと、ツヴィーゼルの町にある国立ガラス専門学校は、バイエルン州で唯一のガラス業訓練学校です。数多くの歴史的なガラス工房を抱える土地柄から、次世代の職人を育成するシステムの構築を目指してこちらの学校が設立されたのは1903年のこと。当時、ツヴィーゼルという小さな町にガラス専門学校を創設することはまさに開拓的なアイデアでありましたが、その専門性の高さと創造性、そして国立学校ならではの革新的且つ実験的な試みに惹かれ、すぐに世界中から訓練生や職人たちが集まってくるようになりました。

 

 現在、ツヴィーゼル・国立ガラス専門学校で学ぶことのできる過程は以下の三つに分かれています。

 

・ガラス業専門学校として(既に業務に就いている者のためのアドヴァンストコース)

-ガラスと磁器の絵付け士

-ガラス加工士(カット、彫り、表面の加工を中心に)

-ガラス吹き士(ガラス機器製造、造形を中心に)

-ガラス製造工

-ガラス形成工

 

・ガラス業と光学工業の職業学校として(就職後間もない訓練生のためのコース)

-ガラスとセラミックの絵付け士、ガラスと磁器の絵付け士

-ガラス加工士

-ガラス機器製造工

-ガラス製造工

-フラットガラス機械工

-ガラス技術プロセス機械工

-精密工学機器製造工

-眼鏡光学プロセス機械工

 

・ガラス工場技術とガラス造形の専門職業学校として(業務に就き、且つ専門職教育を修了した者のためのコース)

-ガラス工場技術士

-ガラス造形士(休講中)

 

これらに加え、ガラス業マイスターの試験のためのコースも開講されています。さらに2012年からは、ドイツ国内でも珍しいプロダクトデザインの職業教育・専門職再教育コースが始まりました。

 

 日本で既にガラス工芸を学ばれた方、専門職に就かれている方、見習いや訓練生としてガラスを専門的に学ぼうとお考えの方の、ツヴィーゼル・国立ガラス専門学校への入学をサポート致します。また、バイエルンの森でガラス工芸を体験してみたいとお考えの方には、ワークショップのアレンジメントも行います。まずはお問合せくださいませ。

ガラスの学び舎・ギャラリー